ブータン
スタッフ山下です。
少しお休みをいただきまして、ヒマラヤの仏教王国、ブータンに行ってまいりました。
GNPではなくGHP(国民総幸福量)を重視しようというスローガンのもと、独自の近代化を進める国。
行かれた方の話を聞いてからあこがれ続けて8年、ようやく行くことができました。
山の間をすり抜けるようなスリリングなフライトを経て降り立ったブータン。
民族衣装を身にまとった専属のガイドとドライバーに出迎えられ、(完全な個人旅行ができない国なのです)VIP気分の旅です。
それぞれの村ではゾンといわれる県庁のような役割の建物を見学させてもらいました。
修復されたものもあれば、17世紀に建てられた当時のままのものもありましたが、どれも立派で美しい!
また寺院を併設しているので若い僧侶がたくさんそこで生活しています。
白い壁に鮮やかな色彩で描かれた仏画、そして真っ赤な袈裟が良く映えます。
お祭りのときに演奏するために楽器の練習をしている姿にも出会えました。
冬にはオグロヅルがチベットからやってくるため、それを保護するために電気を通さずにソーラーと自家発電のみで生活するポブジカの谷では農家のお宅を見せていただきました。
言葉はわからないけど、大阪のおばちゃん、といった感じの勢いのあるトークで楽しませてくれたおばさま。
放牧している牛のミルクでつくったバター茶や、自家製のお酒、アラをごちそうになりました。
最後は数ある寺院のなかでも聖地といわれるタクツアン僧院。
なんでこんなところに、、、と思うようなところに建っています。
標高3000mほどのところのため、酸素不足で最後はよろよろしながらもなんとか到着することができました。
観光客だけでなく、静かに祈りを捧げるブータン人も数多くおり、チベット仏教の教えが生活の隅々にまで及ぶブータン人にとっても特別な場所なのだな、と感じました。
多くの人が携帯電話を所持し(山の中でも驚くことにしっかり電波が届きます)、首都のティンプーでは車も多く、洋服で生活する人も多く見られ、近代化されつつあるのを感じました。
でもその一方で相変わらず昔ながらの方法で何年もかけて家を建てている姿を見かけたり、何するわけでもなく道端に座っておしゃべりしたりしている姿に、まだまだのんびりと流れる独特の空気を感じることができました。
また農村部へ行くとまだまだ民族衣装を着こなし、ドマ(ビンロウジュの実。キンマの葉と石灰と一緒に口に含むと独特の苦味のある嗜好品で、赤い汁が出てくる)で口を真っ赤に染めた人なつっこい笑顔に会うこともできました。
人を喜ばせるのがすき、というブータン人たちの温かさに、ほんとうに幸せな気持ちの旅となりました。
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